「ストーリーオブマイライフ」
「女性の幸せって結婚の他にあっていいと思うの」
若草物語の中でおてんばな次女ジョーはこう言った。
私もほんとにそう思う。
昔のアメリカ社会が今よりもずっともっと格差があったことは、風と共に去りぬを20代の頃読んで知った。
南北戦争を通し、スカーレットが勇敢に生き延びていく姿に私は何度も勇気をもらった。
この若草物語も同じように背景に戦争がある。けれど、もっとずっと女の子の心を掴んで離さない「永遠の何か」がこの中にはある。
それは多分、幾つになろうがはしゃいで歌って花を積んだり飾ったり、素敵なものにすっかり目が無くなったり、信じているものを貶されて貶した相手を責めてしまったり。
そんなピュアな自分をジョーや姉妹が見せてくれているから。
その「素の自分」を、私は作品のジョーに重ねる。
歳なんて関係ない。
親だとか、子だとか、先生だとか、使い手だとか、リスナーだとか、そういうものは後付けで付いてくる既製品の帽子だ。
いずれ私はいやすべての人が「素の自分」に戻って、この世界を離れるだろう。
離れようとしている時、私は「ああ楽しかった」と思ってたい。できれば笑顔で。
ああ楽しかった、やりたいことは全部やったなと。