こころ 夏目漱石

「こころ」

私は自分でも楽観的な方だと思う。

それでも時々極端にナーバスになったりするし、自分の中の大人と子どもが入れ替わり立ち替わり現れるような、自分でもよく解らない時もある。

全部をひっくるめて自分だから別にいいんじゃない? とようやく白とも黒とも付かないのが人間だと解ってきた。

この本は確か娘が中学か高校かどちらか忘れたけど、まだ学生の時に私がオススメだよーと貸した一冊。

もう一冊は吉本ばななのキッチン。

こころはご存知の通り夏目漱石の本だけど、学校で読まされるのと自ら読もうとするのでは、全く異なる受け取り方になるのではないかと思う。

娘がこころを読んだ後こう言ってきた。

「あの場面、やばいね」

あの場面とは先生が自害するところ。ここは私も紙と文字でここまで人の心を揺さぶれるのかと思った。

吉本ばななのキッチンも好評で、そうした本に親しむDNA?は連綿と続いて行って欲しいなあ。

人の心は目に見えないとされるけど、見えると私は思っている。

ただ単に見ようとしないだけ。

自分の中にある蓄積された過去を一旦すべて手放して、まっさらに一人の人と向き合うならばその人は多くのことを教えてくれる。そして大人になるにつれて次第にそれは難しくなる。でも果たして自分の過去に囚われることが大人になることなのだろうか。

生まれた時から異なる環境で育って、異なる考えや教育に触れ、聴く音楽も好きな食べ物もぜんぶ違うのが当たり前で、そんな個人が何かの拍子に皆同じことをしろと言われても、かなり不自然なことではないか?

大前提として、考え方も趣味嗜好も皆それぞれぜーんぶ違うけど、ここではこういうマナーでやっていきましょうというのが学校や社会。

少し本からははみ出た内容になってしまったけど、全ては一人一人のこころがあってこそ。

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