ハナヨウヒン 本 森茉莉

「本の中の服」


映画を観るとき中でも目が行ってしまうのが服。

作品の良さにも大きく関わってくるものですが、この森茉莉シリーズは服に関してだけでも映画並みに描写されてます。


ディテールが細かすぎて寝落ちする程ですが(そこが良いんですけど)、この方しか書けないだろう、ヨーロッパで見聞きしたものへの愛がたっぷりで、想像さえすれば当時の様子が美しく浮びます。


森茉莉さんは森鴎外の長女で、50歳過ぎてから自活の為にしぶしぶ物書きを始めたそうで。
鴎外が健在の時は本からもよく解りますが、父親が伯林(ベルリン)や巴里(パリ)から子供の服を取り寄せ着せていたそうで、この子供服のディテールが本の中にぎゅっと凝縮されています。西陣織、着物、レース、縁取りなど文字だけでよくここまで言い現せるなあ、、と感心しきりなのですが、森鴎外がかなりのお洒落通だったようです。


私が好きな藤田嗣治もそう言えば、森鴎外にアドバイスされ絵を描き始めたんだっけ。結局日本の画壇のしきたりが合わずフランスに行ってしまったのだけど、当時オカッパ頭に丸メガネとネコっていうスタイルが時代先取り過ぎてます ..(全身サブカルな雰囲気)


江國香織さんも昔から好きで、あらゆる生活の音に魔法をかけてしまえる方だと思う。全体を通して漂う透明感とか時々チクりと来る感じとか岩井俊二監督とも通じるものがある。


伊丹さんの本はシニカル目線が面白いのですが、この表紙、お洒落だと思いません?思わずこの本のジャケ買いした人結構居る気がするなあ ..(私です)


以上文庫本の紹介(全てスタイリスト私物)でした。