恋する惑星  ハナヨウヒン
その他

I don’t want to get angry, but..

なるべくなら怒りたくないと思いながら生きてきた。がしかし人一倍、怒らざるを得ないフィールドに足を突っ込み、結果、ちょっとした波紋を生んで去るということを何度繰り返してきたかわからない。

怒りたくない理由は、怒り顔になるのがイヤだから。あと気分が悪くなるから。至ってシンプル。どこぞのオジサン議員の顔を見れば一目瞭然。普段何を考えて生きてるのかはぜんぶ顔に綺麗に書いてある。

日本には波風立てず、穏便に丸く収めることを良しとする穏健文化が根強く残っているけど、今の米不足でよく暴動が起きないものだ。お米が不足してるんだぞ?米だぞ?日本人の根幹を支えている食べ物こそが米なのだぞ?大人は菓子パンでもかじっとくとして、何の権利も罪もない子どもがなぜ米を食べられないわけ?大人は外食やらコンビニやらで散々食べてきたから糖質カットでもしとけと言いたいが、子どもは成長するぞ?これからなんだぞ?

と米の件だけでも怒りが文字に化けて見苦しい有り様だ。しかし怒りは大事なことが何もなければそもそも湧かない。大事なことを大事に出来ていないと強く感じるから悲しみが襲ってくる。そしてそれが怒りに変わるんだよ。話は変わるけど、この数年でよく年齢を言うと驚かれることが増えた。別に若く見られて嬉しいとかお世辞でしょそんなの?と言う話をしたいのではない。若く見られると言うよりも、どうやら(何も考えていない=ぼんやりしていてすぐ騙されそうなヤツだな)という印象を初対面で持たれることが増えた(らしい)。

ある時初めて行った書店で「うちはファッション関係の人とかカメラマンとかよく来るんですー。あ、ヨウジヤマモトって知ってますか?」と会って間もなく言われた。(え、それどういう意味です?わたしずっとアパレルに居るんだけどーこの人相手のこと何も知らないうちからペラペラと話す人?)

まあ人によっては「あーヨウジヤマモト!知ってますよ!」で終わるんだろうけど笑。わたしがアパレル長いのを知ってからその質問をしても遅くはないのでは?と思っただけだ。「あ、知ってますーヨウジヤマモト・・・」とポッソリ言うのを聞いてたかどうだかは知らないけど、その後もずっと言いたいであろう事柄をノンストップで並べていかれ、途中からわたしは頭が痛くなってしまった。

これはあくまで些細な一例だけど、トピック違いで同じようなことは五万とある(ほんとかいな)。ある時は某ラグジュアリーブランドのオフィスで。まだ入りたてで誰が誰だかもよく分からない頃。同じデスクの人たちがミーティングで席を外して間もなく、スッと横に座ってきた男性が居た。わたしが入社する際、面談の席に居た一応リーダーポジションの男性で、どうやら若手のホープらしい。

わたしの隣に座るや否や、「ぼくB型なんですけど。このテーブルの誰それはA型でこの人はA型で、この人もA型で・・・この人は超A型!マジで!(続く)」それに対し、正に、どうリアクションすればいいんだ状態のわたし。で咄嗟に出たのが「あ、わたし血液型とかあまり興味なくて。それより星座の方が信憑性があると思いますよ」と言った時の彼の顔。今でも思い出すと笑ってしまう。「・・・へっ?」て間違いなく書いてあった。

これもあくまで五万とあるエピソードの一つに過ぎない。わたしが石井ゆかりの星読みを持っていることを知らないから血液型を強くプッシュしてきたのだろうが、そもそも血液型に拘るて・・・昭和か?突っ込みプランBでもよかった気がする。

兎も角、わたしのことを何も知らないうちから、あらゆる自身の考察や成り立ちを並べ立てられても困るわけだ。「そうなんですねー」で手一杯。これは男女の差でもあるので仕方ないとは云え、もう少し相手を慮る想像力を養ってみてはどうだろうと、毎度ながら思う。いくらわたしがアホっぽい(端的に言うと)からって、墓場まで持ってく話をいくつも抱えて生きてるんだよこう見えて。

女性なら多かれ少なかれ、いや男性もそれは同じでしょう?話たところで誰が救われるかが解らない。自分も相手も救われるとも思えないから話せないまま小さな箱に小分けして、横に積み上げてるだけで死角になって見えないだけだよ。新しい人に会う時はその箱越しにこっそり見るんじゃなく、出来ればまっさらな目で見たいと思ってる。わたしはこれを勇気と呼ぶ。あるいは未来とも。

しかしあまりにまっさら過ぎると、上記の一例のようにアホっぽいセンサーを作動させてしまうのが難しいところ。何よりこのセンサーが誤作動するとまあ厄介。積み上げておいた小箱が武器となり次から次へと標的に投げつける羽目となる。わたしは何を言ってるんでしょうか・・・。

兎も角、自分の中に二人の女性が居るとしたら、一人は恋する惑星のブリジットリン、もう一人はフェイウォン。この映画のブリジットリンは憧れの女性像でもある。

金髪のウィッグでも着けてみようかな。

恋する惑星 I don't want to get angry, but.. クボメグミ

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